石膏雌型を用いてアクリリックワンを使用する際の注意が幾つかあります。
まずこれまでポリエステル樹脂を使用してきた方々に対してですが、これまでとは全く違う使用感であることを最初によく認識されてください。樹脂だからとこれまでと同じように作業するとうまくいかずストレスになることも考えられます。
まず最初に雌型の厚みですが、なるべく厚くならないように、1層目の肌石膏をかけた後は、スタッフを大きな煎餅状にしたものに石膏を染み込ませてそれで全体を覆うようにします。これだけで厚み付けは十分です。後はなるべく木などで養生して型を丈夫にします。
こうすると割り出す際に、アクリル樹脂そのものの破損を防ぐことになります。
ポリエステル樹脂は効果後収縮すること、さらに樹脂に弾力があることで、石膏の雌型を激しく叩いて割り出す場合が多く見られますが、アクリル樹脂ではそれはやめてください。
アクリル樹脂は収縮せず硬質なので、かえって打撃による衝撃に弱い面もあります。完全な効果は表面が型から取り出されて空気に触れてから起こるので、この点も十分注意しながら、割り出し作業を行うようにしてください。養生の木を外し、型の合わせ目から慎重にきっかけを作りそこからスタッフをはがすようにすれば簡単に割り出し作業を終えることができます。
先のブログにも書きましたが、アクリリックワンの最初の使用感は石膏に似ています。
ルタルダーを添付しない限り、硬化が始まるまでの時間はおよそ20分です。
それから硬化が始まり、表面から水分が抜けきったことが確認できて、指で軽く押しても樹脂が動かないことを確認したら次の作業に移ることができます。
しかし、注意してもらいたいのはアクリル樹脂が完全に硬化するには24時間必要だということです。
石膏雌型により大切な作品を型取りされる際には、ふた合わせまで終了後じっくり1日待ってから割り出し作業を行うようにしましょう。
初めてアクリリックワンを使用する方々が最初に口にすることが、まるで石膏のようだということです。
私も初めてアクリリックワンを使用した時には硬化の感じや修正の際の手に伝わる感覚がポリエステル樹脂の前に行っていた石膏による雄型制作と似ていると感じたものでした。