アクリリック・ワンは必ず計測してから混ぜるようにします。混合の割合は、アクリリック・ワン粉末2に対して、アクリリック・ワン水性樹脂を1です。ビーカーやバケツに計量した樹脂の液体とパウダーをそれぞれ別に入れてから準備します。ステンレス製のミキサーを高速で回転させて渦を作りながら、そこに適量の粉末を少しずつ添加しながらよく撹拌します。樹脂が滑らかな状態になり、気泡が完全になくなるまでおよそ30秒以上攪拌します。底や側面に混ぜ残しがないように全てを確実に攪拌します。
硬化が始まるまでの基準となる時間は攪拌後20分です。硬化開始までの時間を短くあるいは長くしたい場合は、各種添加剤を加えることで可能になります。
アクリリックワンは水性の製品です。完全に硬化したかを判断する際には残留する水分が完全に抜けきっていることを確認してください。完全に硬化するために必要な時間は製品の大きさや気温、湿度などの外的な要因によります。製品をラミネート加工する、あるいは型取りした際には、力を加えても形が崩れないくらい十分に硬化したらすぐに型から取り出すことができます。製品が最適な硬度を得るためには型から取り出される必要があります。
手や皮膚に付着したアクリリックワンは石鹸や水で洗い流すことができます。使用後のブラシなどの道具は水で直接洗うことができますが、洗面台で洗う代わりに水の入ったバケツなどの中で洗うことをお勧めします。これは水の中でもアクリリックワンの硬化はまだ進行中ですので、継続的な洗浄によりパイプの目づまり等を防ぐためです。
モデリングフォームなどの固形物の表面にアクリリックワンでコーティングすることもできます。最初に固形物の表面にアクリリックワンを塗ります。次にトライアクシアルファイバーをその上から貼り込みます。さらにその上からアクリリックワンを添付し、トライアクシアルファイバーとなじませます。1層目が硬化したら、もう一度アクリリックワンを添付します。先ほどと同じ工程を繰り返し、トライアクシアルファイバーを2層貼り込みます。それぞれの層の厚みは約1ミリ程にします。最後に表面をなめらかにするために、アクリリックワンティックスBか、あるいはATPパウダーを混ぜてゲル状にしたアクリリックワンを添付します。アクリリックシーラーを表面にコーティングすることで、製品を野外に設置することも可能です。アクリリックワンの硬化がちょうど完了するくらいかの時に、濡れたスポンジを用いて表面をならすことで、さらに表面をなめらかにすることができます。完全に硬化した後は、濡れた耐水ペーパーで研磨もできます。野外に製品を設置する場合は、研磨まで終了後、アクリリックワンシーラーを添付してください。
アクリリックワンの作業効率を高めるために、硬化速度を速めたり、遅くしたり、またアクリリックワンの粘度を薄めたり、ゲル状にしたりする各種添加剤が用意してあります。
・ アクリリックワンルタルダーはアクリリックワンの硬化速度を遅くする添加剤です。アクリリックワンルタルダーはアクリリックワンの液体樹脂の方に添加しなければなりません。アクリリックワン樹脂の5%を超えない量まで添加することができます。
・ アクリリックワンアクセルレーターは生産性向上のためにアクリリックワンの硬化速度を速めて使用することができます。いつでも添加剤はアクリリックワン樹脂の方に添加します。アクリリックワン樹脂の総量の2%を超えない量まで添加することができます。アクセルラントは顔料と充填材の添加による硬化速度の遅延を是正することにも使用することができます。
・ アクリリックワンティックスAは樹脂にとろみをつけ、ゲル状にするための添加剤です。添加の上限は総量の6%を超えない量で最大限の硬化を確認することができます。アクリリックワンティックスAはゲル状のコーティングに用いたり、成形型の垂直な面や天井部分の面などに樹脂が垂れてしまわないように用います。
・ アクリリックワンティックスBは樹脂にとろみをつけ、ペースト状にするための添加剤です。これはゲル状のコーティングや表面のテクスチャーを盛り上げたりするために用います。アクリリックワンティックスBを添加した場合は防水性が低くなるので、水にさらされるような場所での使用は控えることを勧めします。その場合、防水シーラーを添付することで保護することができます。
・ アクリリックワン・ディルエントはアクリリックワンの粘性を抑えて液状にします。これは複雑な型の製品を作る際や1種類以上の充填剤を用いる場合に使用することができます。アクリリックワン・ディルエントは硬化時間に影響を与えます。アクリリックワン総量の5%を超えて使用することが決してないように気をつけて下さい。
アクリリックワンシーラーは、湿気から製品を守るための水性のコーティング剤です。さらに耐候性品質をもたらします。オランダ応用科学研究機関の検査によると、アクリリックワンシーラーを正しく添付することによっておよそ30年間耐久性が持続するという結果が出ました。ご要望があれば、オランダ本社よりオランダ応用科学研究機関の検査レポートを提供します。アクリリックワンシーラーは水にアクリルポリマーを濃縮した溶剤です。使用前に20%の水を加えてください。作業表面のワックス、油分、ゴミやホコリを完全に除去してください。添付には刷毛、ローラー、柔らかい布、あるいはスプレーを用います。
・ アクリリックワンシーラーは保護能力を向上させるために、1層だけではなく何層にも重ねて添付することができます。気温や湿度にもよりますが、一層目をかけた後およそ45分位してから2層目を添付することができます。柔らかい布を用いてアクリリックワンシーラーを添付した場合、複雑に絡み合った光沢の表現をもたらすことができます。数回にわたって塗り重ねることでより光沢を増すことができます。
アクリリックワンシーラーの利点は次のとおりです。
・ 単一の商品で、すぐに使用できます。
・ 水性で安全です。
・ 速乾性があります。
・ 簡単に使用できます。
・ 紫外線に対して素晴らしい耐候性があります。
・ 接着力に優れています。
・ 汚れに強く防水性があります。
データ
最低処理温度:10°C
平均使用1ℓで8-10㎡の広さを塗ることができます。
賞味期間:未開封の状態で1年。ただし、未開封の状況で3年後に使用した場合も問題なく使用できます。
保管方法:直射日光が当たらなく中の液体が凍ったりすることのない場所。
アクリリックワンには、顔料、砂、石、有機物、軽量の充填材など様々な種類の素材を混ぜることができます。このことは製作者のニーズによっていかなる外観にも変更が可能だということを意味しています。幾らかの充填材は耐候性に影響を与える可能性があります。
アクリリックワンは硬化後着色することができますが、顔料を用いることであらかじめ着色することもできます。顔料は液体と粉末を混ぜる前に液体と混ぜておくようにしてください。顔料は総重量の2%かあるいは液体樹脂の6%を混ぜるようにします。
金属の効果を出すためにアクリリックワンに混ぜることのできる様々な種類の金属粉が用意してあります。錆びた感じを出したいのであれば、鉄粉を使用してください。アクリリックワンの粉末と同じ量の鉄粉を混ぜます。硬化後、濡れたたわしか耐水ペーパーを用いて磨きます。そうすることでその表面は塩酸、アンモニア、あるいはその他あなたが選択した薬品で処理できるようになります。これらの薬品を使用することで錆びが腐食するスピードを早めることができます。求める錆びの効果が得られたら、水や重曹を用いて腐食を止めることができます。その効果を確実に持続させるためにはアクリリックシーラーを添付する必要があります。アクリリックシーラーを添付しなければ、腐食は自然と進行し続けます。
ブロンズの効果を出したいのであれば、アクリリックワンの粉末と同じ量の銅粉を混ぜます。硬化後、濡れたたわしか耐水ペーパーを用いて磨きます。これはブロンズの粉を表面に出すことになります。これでブロンズ風の特別な着色を施す準備ができました。アクリリックシーラーを用いて腐食の進行を防ぐか、あるいは腐食が自然に進行するように処理を施さないようにするのかいずれかを選ぶことができます。
ATPパウダーはアクリリックワンのかさを増すための充填材です。これはアクリリックワンを均一なパテ状にします。このパテ状のアクリリックワンはその後、製品の仕上げにその表面をなめらかにするために使用することができます。
砂や水晶をアクリリックワンに混ぜることで傷に強く、表面を丈夫にすることができます。異なった種類の大きさや色の水晶を混ぜることで花崗岩や御影石のように見せることもできます。もしあなたが表現したいような外観があれば、石を混ぜてから、表面を研磨し、対比を目立たせるようにします。
ポレイバーはとても軽い充填材です。粒子の大きさは、0,5~1,0 1~2 2~4 そして4~8mmが準備されています。これは製品の重量が重くなりすぎる時に製品の軽量化を図るために用います。